Nothings is gonna hurt you baby

Nothings is gonna hurt you baby

 

 

人を思うという中毒性の高い蜜にしがみついていた一週間だった。

久しぶりに誰かを考えその人のための服を買った。

 

990元する彼も履いていたスニーカーを買った

真っ白で硬いその靴は日常的に履けるスニーカーで、

軽くて、地面を軽躁に踏ませてくれた。

少しヒールもあって今あるボロボロのアディダスよりは足を長く見せてくれた。

 

でも履いた時から少しだけ足の甲を締め付ける感覚があった

足の先はぴったりだったけど、

なんとなくきつかった

最大に緩めてもらって

履いていくうちに大きくなるだろうと思って

多分ぶかぶかで踏み潰されたアディダスよりこっちの方が靴の役割を果たせているのだろうと思って

もう取れそうにない茶色いシミがついているのより

足を切に見せてくれるその真っ白さに惹かれて

 

990元のその靴をかった

そのままタグも切ってもらった

その足で2000円くらいするルルレモンの髪留めを買った

誰かのために買い物をするのは

自分のためにいつ必要になるかわからない

高い保険を買うみたいな感覚だった

 

足の甲に当たるその真っ白なスニーカーを履いて

髪を結局は結び

その前に買った服じゃない方の服を着て

いつ使っても良いようにと髪留めをポケットに入れて

期待をしないという期待に

心を無理やり落ち着かせた

 

結局は靴に気づいてくれた

同じブランドの違うデザインの靴を履いていた

その靴を履くことが正解だと思えた

足の甲に当たる締め付けがちょうど心地よかった

時間がたつときついとさえ思えたけど

それでもその白さと彼も履いていたそのロゴは私をなんとなくその時は守ってくれた

 

甘い蜜、甘いと思っていた蜜、甘くしていたその蜜は

結局のところ甘くもなく、甘いかさえもわからなく、甘いとずっと思い込んでいたのかもで

蜜がなくても生きていけると思い込んでいた私に

頭からどっぷりと

その甘露な誘惑をかけてくれた

 

私は自分が思っていたより全く一人で生きていけなくて

多分その砂漠に少し甘すぎた蜜をオアシスとして届けてくれたのかもしれない

それでも前を行かなくては

結局のところ求めていたのは快楽で

本当に必要なのは

心と渇きを潤してくれる味気のない水であり、

甘すぎる蜜でも

きつすぎて白すぎる靴でもないのだ。

 

白い靴を置いていく

ボロボロのアディダスを日常に又持ち帰る。

蜜の味を思い出し

胸が苦しくなる

途方にくれる

ゴールが見えなくて焦るし

つまらなくもなる

自分に呆れるし

逃げれなくもなる

 

そこを思い出して

心のオアシスとして

大切にしまいながら

たまに訪れよう

 

私は弱いから

甘いものに弱いから

でも頭からかけられたら

足元に届く前に

きちんと目に入ったそれをぬぐい取り

きちんと視界を綺麗に保ちたい

 

everything gonna hurt you 

but 

nothing gonna hurt you baby