ロジャー

確か2年前くらいに

 

廊下で目を引くほどの

長いくすんだブロンドの子を見た。

それが彼女を初めて見た日。

軽く腰を超えてお尻まである髪の毛は薄い茶色と雲がかった黄色が混じっていた

 

彼女はそそくさと廊下を歩いて行ったが

 

1年前、名前をアレクサンドロということを知った。

 

ロシア訛りの英語で日本語を教えてくれというアレクサンドロは

ハーレムの近くの築100億年のアパートに

知らないおばあさんと、その息子でモデルをやっている中年男性と一緒に3人でルームシェアをしていた。

 

アレクサンドロはパイナップルを丸ごと食べるのが好きで、タピオカミルクティー中毒だった。

たまに部屋に出るネズミをロジャーと名付け、

ロジャーの姿が見える前にロジャーを追い払う事も出来ていた。

 

そんなアレクサンドロとフォーを一緒に食べている時に、

昨晩はクラスメートのアントニーのところで泊まったと教えてくれた。

アントニーの事が好きだと教えてくれた。

アレクサンドロはロシアに戻らないといけないらしい。

 

冬休み明けの今、二人はどうなっているのだろうか